第23話 代表召集
275 U-名無しさん sage 2005/04/05(火) 22:18:53 ID:CkP3EEG80
春が来るのはまだなんだろうけど、
今日のグラウンドは太陽に照らされてぽかぽかと暖かい。
今日もいつもと同じように放課後の練習が始まる。
日本代表との練習試合からもう数週間が過ぎた。
あの試合の後、しばらくは学校の周辺にもマスコミがいたりしたが、
もうさすがに姿を見ることもなくなった。
日本代表は苦戦しながらも、ロスタイム大黒の劇的なゴールで北朝鮮を下した。
テレビで観戦していた俺は、大黒の反転シュートが決まった瞬間、
俺たちの練習試合で点を入れた後、ボールを抱えて走っていた姿を思い出した。
あきらめないことの大切さ。俺たちはあの試合から多くのことを学んだ。
練習試合で日本代表に勝った話はしばらく学校中の話題だったが、
さすがにもうみんな飽きてきた。そんなものだ。
だから、俺たちはいつもと変わりなく練習している。
変わりなく?そう俺たちの目に見える範囲では。
でも、俺たちを取り巻く環境はあの試合の前と後では変化している。
そう、モニカの人気は下火になるどころか、ますます過熱する一方だ。
学校にもインタビューの申し込みが山のように来たらしいが、
岩崎とモニカのご両親が話し合った結果、
取材についてはすべてお断りすることにしたらしい。
だがマスコミはモニカの一挙手一投足を追っている。
276 U-名無しさん 2005/04/05(火) 22:22:20 ID:CkP3EEG80
練習試合の後、モニカには地元のLリーグチーム、さいたまレイナスから
練習参加のオファーが来た。
元々厳密にはうちのサッカー部の部員ではなかったモニカが、
レイナスの練習に参加するのには何の障害もない。
といってもLリーグチームは練習場を確保するのも苦労する状況が続いている。
だからモニカは放課後はほとんど俺たちと一緒に練習をしていた。
モニカを巡る環境の変化はそれだけにとどまらない。
あの練習試合から一週間後。
2月下旬からJヴィレッジで行われる女子日本代表の合宿のメンバーが、
日本サッカー協会から発表された。
澤をはじめとしたアテネ組の名前がずらりと並ぶ中、
そこにモニカの名前が記されていた。
五日前からはじまった合宿に参加するため、モニカは今Jヴィレッジに行っている。
マスコミがモニカを追って一斉に福島に押しよせたのはいうまでもない。
スポーツニュースでは澤や小林たちに混じってボールを蹴るモニカの姿が流れていた。
合宿が終わると、女子日本代表はオーストラリア遠征を予定している。
おそらくモニカはその遠征にも帯同することになるだろう、と報じていた。
277 U-名無しさん sage New! 2005/04/06(水) 09:31:27 ID:ATweyUXc0
ついに代表
モニカタソはぁはぁ
278 U-名無しさん sage New! 2005/04/06(水) 12:22:28 ID:zVl7gibxO
女子代表チームの練習後シャワーシーンをぜひ。
279 age New! 2005/04/06(水) 12:32:42 ID:qtc5+Tm00
澤のシャワーシーンをぜひ
281 U-名無しさん sage New! 2005/04/06(水) 23:13:24 ID:wPqc0xai0
「おい、気合入ってないぞ。怪我しないよう気をつけろよ」
タカシの声にはっとする。うっかりぼんやりしてたらしい。
「モニカちゃんがいなくてさみしいのはわかるけどよ」
タカシが楽しそうにニヤニヤしている。
わかってるよ、と答えたものの、そういうタカシだって
ここ数日は練習しててもどこかつまらなそうだ。
いや、タカシだけじゃない。ほとんどの部員がそんな感じだ。
あいつの存在がこんなにでっかくなってたなんてなあ・・・
「ほんと怪我には気をつけてくれよ。週末は練習試合もあるんだし」
別の声。振り向くと山口だ。
え、今週って練習試合だったっけ?思わず聞き返すと、山口が頭を抱えた。
「お前なあ・・ちゃんと俺ミーティングで言ったぞ。
しかもどことやるかわかってんのか。市舟だぞ。市立舟橋。
あの超強豪がわざわざうちに来てくれるんだぞ、しっかりしてくれよ、司令塔」
これもモニカちゃん効果ってやつだよな、とタカシが呟く。
282 U-名無しさん sage New! 2005/04/06(水) 23:16:07 ID:wPqc0xai0
あの試合の後、うちの練習試合の相手は一気に豪華になった。
今までだったらお願いするのが気が引けるような強豪どころから、
申し込みが次々ときているらしい。
モニカ目当て、話のタネというのもあるだろうが、
強い相手とやらせてもらえるというのはうちにとってありがたい話だった。
そうだな、モニカに負けないようしっかり練習しなくちゃな。
そう自分に言い聞かせてボールを蹴りかけたところで、
ふと職員室のベランダに立つ岩崎の姿が目に入る。
グラウンドとは距離があるから俺たちに何か指示を出そうというわけではない。
俺たちがサボってないのか見ている?いや岩崎はそういうタイプの監督ではない。
よく見ると岩崎の隣に誰かもう一人男が立って、一緒にこっちを見ている。
誰だろう?見覚えのない人影だ。うちの先生じゃなさそうだ。
近くの学校のサッカー部の顧問かな?
「おーい、練習やるぞおー」というタカシの声。
いまいくよ、と返事して俺はタカシのほうへ走っていった。
283 U-名無しさん sage New! 2005/04/07(木) 11:46:46 ID:Nlm/n2Ns0
布か?
285 U-名無しさん sage New! 2005/04/07(木) 21:37:12 ID:ejaNQlAy0
人間力かぁぁぁぁぁぁl