第18話 勝利
215 U-名無しさん sage 2005/03/27(日) 23:13:45 ID:8y83yzEh0
 山口が、田中が、内藤が。いかにも精根尽き果てたと、ピッチにばたばたと座りこむ。 
 ばーか。まるで負けたみたいじゃないか。勝ったんだぞ。みんなで笑って喜ぼうぜ。 
 そんな俺もひざにまったく力が入らない。 
 集中が切れた今、自分の体もうまく操作できない。ゆっくり歩くのがやっとだ。 
 こんな感触は初めてだ。今日、俺は自分の限界を超えたんだろうか。 
 一歩、また一歩。みんなのほうに歩いていく。 
 モニカが座り込んでいる山口に手を伸ばす。その手を掴む笑顔の山口。 
 そして、今度は田中。モニカが手を伸ばして、順番にみんなを立たせてゆく。 
 だらしないやつらだ。あれじゃモニカが母親みてえじゃねえか。 
 そして俺たちは軽く喜びを分かち合った後、中央に並ぶ。 
 審判の指示に従って、タッチラインのほう、お客さんをむいて礼をした。 
 拍手が聞こえる。 
 その後、代表の選手たちと握手。 
 俺たちはこの人たちと対等に闘って、そして勝ったんだ。胸を張ろう。 
 ベンチに引き上げる俺たちにまた拍手。 
 ああ。俺は思う。きっと俺はこの時聞こえた拍手を一生忘れない。 
 ベンチに戻ったところで、みんなが喜びを爆発させる。 
 試合に出られなかったメンバーも、笑顔、また笑顔だ。 
 あちこちでガッツポーズ。暑苦しい抱擁。はしゃぎ声。 
 そんな喧騒の中、俺はベンチに腰をかけ、スパイクの紐を解く。 
 目の前に人が立つ気配。靴から手を離し顔を上げるとモニカがいた。 
 にこにことしている。かわいい笑顔だ。 
 「楽しかったか?」 
 目と目で通じ合える。そんなにたくさんの言葉はいらない。 
 「ウン、日本にきてヨカッタ」 
 俺はその言葉にゆっくりとうなづき返す。 
 冬の風が体に冷たい。 
 試合の終わったグラウンドに、夕闇が少しずつ近づきはじめていた。 
216 U-名無しさん sage 2005/03/27(日) 23:15:15 ID:8y83yzEh0
 試合が終わった両チームの選手が引き上げてくる。 
 行くか、と小熊は滝沢に声をかけた。滝沢がうなづく。 
 「そうだ、今日の試合、代表はビデオ撮ってるはずだよな。 
 滝沢、ダビングしてこっちにも一本回してもらうよう 
 頼んでおいてもらえないか」 
 「あの女の子をウチのチームに呼ぶつもりですか」 
 と滝沢はにやにやしている。 
 ばーか、小熊は言い返す。 
 「呼べるものなら呼びたいのはやまやまだがな・・ 
 男だったらこのまま連れて帰りたいとこだぜ。 
 まあ、仮に呼べたとしても」 
 小熊は後ろを振り返る。 
 「あのお姉ちゃんには先約がいるみたいだから、 
 許可をもらわないとだめだろうけどな」 
 小熊の視線の先では上島が来た時と同じ優しい笑みを浮かべている。 
 上島さん、楽しくて仕方ないだろうな、 
 まったくこんな選手が沸いて出てきたら、監督としてはたまらないぜ・・ 
 小熊は上島に軽く会釈すると、滝沢と肩を並べて歩き出した。 
217 U-名無しさん sage 2005/03/28(月) 00:54:09 ID:xYebnA7K0
勝ったあああああああああああ 
これからどんな展開が・・・(;´Д`) 
218 U-名無しさん sage 2005/03/28(月) 02:21:22 ID:6IOkWp9hO
そこで夢オチですよ。 
219 U-名無しさん sage 2005/03/28(月) 12:29:35 ID:VqmaQr4H0
>>205 
>右足のこぶしを高く突き上げ 
ヽ(`Д´)ノウワァァン 
「右足のこぶし」ってなんだよおおおおおおおおおおおおおおお! 
引き続き、お願いします。 
221 まちこ 2005/03/28(月) 13:07:57 ID:BDs8PrQh0
>>219 
福西選手だって、こぶしが右足じゃないですか。 
なにがいけないんですか? 
222 U-名無しさん sage 2005/03/28(月) 13:22:36 ID:VqmaQr4H0
>>221 
ハッ!そうか! 
そうだったな。スマンカッタ。 
223 U-名無しさん sage 2005/03/28(月) 15:29:03 ID:GQkeQgGN0
>>221 
ウマイ 
224 U-名無しさん sage 2005/03/28(月) 22:01:48 ID:moyM4L080
前足かw